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2008年5月22日 (木)

テックツアー

先週の日曜日から3泊4日でモントリオールに行って来ました。目的は「テックツアー」と呼ばれる現地調律師によるピアノ調律、調整の学校を巡るツアーに参加するためです。
Via2 トロントからモントリオールまでは電車で約5時間。今回行きは普通座席が満席で取れなかったので、グリーン車のような車両に乗ることに。ここでは普通座席とは違い食事のサービスがありました。ワインを飲みながらのランチです♪
到着時間が1時間ほど遅れ6時間かかりましたが、列車は快適!この日は移動だけだったので夜は5人の現地調律師との顔合わせを兼ねた夕食でした。モントリオールはフランス語圏…日本からもメーカーの技術の方がいらしていたので日本語、英語、フランス語が飛び交う夕食となりました。

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翌日行ったのはマギル大学。1821年創立のこの大学はカナダ最古だそう。100台以上ピアノがあるそうですがツアーでは1~2台のグランドピアノを2日間かけてメンテナンスします。メンテナンスをしながらもそれぞれの部屋を行き来して調整方法について話し合ったり、道具について自慢しあったり、日本と違って会社に所属せず個人で活動する調律師がほとんどのカナダ。情報交換の場でもあるようです。また調律学校が少ないカナダは調律師によって調整方法が若干違うこともあり、それぞれの話を聞くのも面白く、私も紛れて他の部屋にお邪魔しました。
3日目の夜はモントリオールで開かれている国際音楽コンクールのピアノ部門上位者によるコンサート形式の演奏を聴きに行って来ました。そこで驚いたのは使われていたピアノの音がとても柔らかかったこと。コンサートの後、皆でパエリアを食べながらそのピアノについて意見交換です。私には柔らかすぎたその音はカナディアンにも柔らかく感じたけれど、ノースアメリカでは普通なのだそう。「標準」の違いにショックを受けつつも、とても良い勉強になりました。
日本とカナダとの違いを知る良い機会を持つことができ、カナディアン調律師は皆50代付近の男性調律師ばかりでしたが気さくでとても楽しい時間を過ごすことができました。次回は8月にトロントで同じツアーを行う予定。今から楽しみです♪

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ピアノ♪」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、久しぶりに来ました。いや~いろんな体験されていて、少々羨ましいですね!何でも挑戦!すばらしい事だと思います。見たり聞いたりするのと全く違いますからね!さて、ピアノの音が柔らかい?と言う意味がちょっと分かりません。なんだかはっきりしない感じの音のことですか?クラシックギターのナイロン弦とフォークなどののスチール弦の違いの感じ?ですか?やはり国の環境(温度、湿度)また建物の構造によってもきっと変わるんですよね!あ!そうそう、電車での昼食、なんだか飛行機の機内食の(エコノミークラスの)感じでしたね。また寄らせてもらいます。

投稿: 海野 | 2008年6月 5日 (木) 00時18分

お久しぶりです(^^)。コメントありがとうございます。日本は入梅したのこと、いかがお過ごしですか?
こちらにいる間は何でも経験、と思っているので言葉のハンディはありますがもともと楽天的で事前に悩むタイプではないので、まずは挑戦、です。幸い人に恵まれ、周囲の方達が温かく迎えてくれるので本当に助かっています。
さて、ピアノの「柔らかい音」というのは例えば木琴を木の硬いバチで叩くか、毛糸巻きの柔らかいバチで叩くか、のような違いです。同じ木琴でもバチの材質によって音が変わりますよね?それと同じでピアノも弦を叩くハンマー(フェルト製)の状態によって音が大きく変わるのです。もちろんそれ以前に調整によっても変わってくるのですが、調律師は音質を整えるためにハンマーに針を刺してフェルトをほぐし柔らかくしたり、使用によりハンマーに弦の跡が深く刻まれた場合はやすりをかけてハンマーを成形し直したりします。また今の日本のように湿度が高くなるとハンマーやその他の部品が湿気を帯びて何となくこもった音に聞こえたり、畳、襖など吸音素材が多く使われている和室は板間の洋室に比べて音が響かないのでおとなしい音に聞こえたり、そして海野さんの仰るように弦の素材の違いなど、音色相違の要因はいくつか考えられます。
ノースアメリカのスタンダード(人々が良い音と感じる音の)は、日本に比べて柔らかい音のようです。これは感覚的なものなので難しい問題なのですが、原因のひとつはこちらの主要ピアノメーカーの音が基本になっているという説があります。
調律師は料理人、和食でもフランス料理でもイタリア料理でもタイ料理でも、美味しい、お客様のお好みの味を作ることができるようになりたいと思うのです。ダシがしっかりしていれば料理は美味しいもの、基本を学び、そして各テイストを取り入れられればいいなと思うこの頃です。

投稿: mina | 2008年6月10日 (火) 14時37分

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