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2009年2月19日 (木)

お仕事

2〜3週間前に風邪で寝込んでからというもの、外での仕事を控えている状況。そんな私にボスが在宅でできる仕事を持ってきてくれました。


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このピアノは40年ほど前にアフリカで購入されたヤマハのG1というグランドピアノなのですが、その後ヨーローッパを始め各地を転々と移動し、トロントにやってきたピアノだそう。
ボス曰く持ち主は老婦人だそうなのですが、今は亡き旦那様から結婚して初めてもらったプレゼントなのだとか。ロマンティックなお話です現在はその御婦人、少し記憶がゆっくりになられているのだそうですが、ピアノを弾くのが唯一の楽しみとのこと。しばらく調律をされていなかったので、ヴァケーションで家を留守にしている間に直して欲しいとのご依頼です。
本体の方はボスが仕上げ、在宅でもできるアクション関連のことを私がやることに。
実にこのピアノ、アクションが我が家に運ばれてきた時にはクモの巣が張り、今まで手を入れられた形跡が見当たりません。ボス曰く音もすご〜く下がっているとのこと。


これ、こちらにきてからよく見かける光景。
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鍵盤の上に調律の記録を書いてしまうのです 
というのも、日本でよく見かける「調律の記録カード」(ピアノの内部にあって調律時にした作業を毎回記入し、調律師が変わってもその内容がわかるように記録していくカルテのようなもの)が、こちらのピアノにはまずないのです。
ヤマハ発行の2〜30年前の「調律の記録カード」にはその存在意義として「各調律師が行った作業を記録していくことにより、後々までその責任の所在を明らかにして…云々」との表記があり、私はその言葉にプレッシャーを感じさせられたものでしたが。。。お客様にとっても調律師にとっても貴重な情報源となるカードがなぜこちらにないのかは良く分かりません。
だいたい最低音か最高音部の鍵盤の木の部分に書いてあることが多いのですが、右側の写真「S.GROWRIE」さんは、なぜに39番目の「シ」の鍵盤を選んだのかは不明ですその鍵盤が修理された形跡もなかったので…。
この記録を見る限り1983年9月22日が最後の調律のよう。定かではありませんが。。。

家で作業をするものの、8ヶ月に入り大きくなってきたお腹はなかなかの曲者。調整をする時に前屈みの姿勢になるとお腹が作業台やアクション本体に当たってしまい思うようにできない。。。しかも腰が異様に疲れる 今まで意識していなかったけれど、作業には意外に腹筋や背筋を使っていたようで、この体になってみて初めてそれに気づきました。集中力には自信があったのに、体に負担をかけないよう1時間やっては休憩、腰が痛くなったら作業が乗ってきても休憩、とゆっくりゆっくりぺース。それでもやっぱりピアノに触っていられるのは幸せで、またこんな仕事がきたらいいな…と思っているところです。
このピアノの持ち主さんに喜んでもらえれば良いのだけれど。。。

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